僕らの強風警報

ｳｲﾙｽが蔓延して

視界はざわめき立っている


追いかけるばかりの

眉間に寄った皺も


あなたに会ったら笑われるかな




単純な作業で全てを


削除できそうだったの

ﾊﾞｯｸｱｯﾌﾟなんて余計な御世話


とか強がってみるけどありがと


本当は何一つ忘れたくなんてない



街を賑わす全部の声が

僕を通ってあなたに刺さりそうな


暴れた傷跡をなぞる

煩わしく頬を撫でる稲穂も


揺れているのは脳内ｽｸﾘｰﾝの映像


引き千切って破り裂いてください




訳も分からないままに浚われて


神様と一緒に河を渡って


行列にゆらゆら爪を隠しているの



立ち寄った台風が残した

ﾐｽﾃﾘｰｻｰｸﾙが愛らしく


崩壊した世界の心電図で



僕は恋することを思い出す




もう一度あなたに会えるまでは


きっと