液体

悔しかった



僕はここにさえ居場所が無いと





本当は解っていた





無理していた



だけど口に出したら



全てを壊すことになる





だから貴方の所為じゃないなんて



歩調を合わせた優しい慰めも





聞きたくなかったの



貴方を否定したくは無かったんだけど



耐えていたかった



それが僕の存在理由だったから









溢れだしたのは



誰の所為でもない





気にしないふりをしていた



そこを突かれただけ





悔しかった



僕にはやっぱり何も出来ない





ずっと解っていた





だけど振り返らなかった



そうやって保っていたの







辿り着いた時



ふと掛けられた声に





梱包は解かれた



我慢していたんだね、僕







傍に居てくれなんて



頼んだつもりはなかった





あの時は本当に



見られたくなかったのに





泣いてる貴方を放っとけって言うんですか？





そんな温かい言い回しには



さすがになんか照れる







見られたくなかったのに





貴方から握られた手に



遂に安堵の支配へと堕ちる




躊躇いが一層



愛おしくて狂いそうになる







差し出された右手は



なんだか恋人みたいだね





なんて







耐えられないから



とても言えないけど







やっぱり僕には貴方が必要だ





それだけは僕の絶対条件で



存在理由なんだから





なんて



やっぱりとても言えないんだけど、ね